みなさんは「ハリネズミのジレンマ」と言うお話をご存知でしょうか?
今回はハリネズミのジレンマについて詳しくお話しします。
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「ハリネズミのジレンマ」
あるところに2つの山がありました。
一方にはオスのハリネズミ、もう一方にはメスのハリネズミが暮らしていました。
ある日2匹はたがいの存在を知りました。
恋に落ちた2匹は、近づこうとしましたが、たがいのハリが体に刺さってしまい、とても痛い思いをしました。
しかたがなく2匹は距離を置きましたが、少しでも近くにいたい2匹はふたたび近づきます。
けれど、近づくとハリが体にささってしまい傷つき、傷つけてしまうのです。
近づき、離れ、また近づき、また離れる。
そんなことを繰り替えして、ようやく2匹はハリがささらないちょうど良い距離をみつけました。
めでたし めでたし。
もともとはヤマアラシ?
このお話、もともとはハリネズミではなくヤマアラシがモデルで、タイトルも「ヤマアラシのジレンマ」でした。
ヤマアラシのジレンマは、哲学者ショーペンハウエルの随想録に収められた寓話です。この寓話を心理学者フロイトが「集団心理学と自我の分析」に引用し、人間関係を例えました。
人はたがいに近づきすぎると傷つき、傷つけてしまうことがある。しかし距離を置くと今度は疎遠になり、親密な関係を築くことは難しい。人にはそれぞれ最適な距離があるというお話です。
いつからハリネズミになったの?
ヤマアラシがハリネズミと読み替えられ一般に知られるようになったのは、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」第4話のサブタイトル「Hedgehog’s Dilemma(ヘッジホッグジレンマ)」の影響によるものです。
第4話では「近づくことで感じる痛み 近づかなきゃ解らない温かみ・・・」がテーマとなっています。
作中の主人公(碇シンジ)やその他の登場人物の心境は「ヤマアラシ」ではなく「ハリネズミ」のようであることからあえて「ハリネズミのジレンマ」という言葉を用いていると考えられます。
ヤマアラシとハリネズミの違い
ヤマアラシとハリネズミには習性に大きな違いがあります。ヤマアラシは相手を威嚇するためにハリを逆立て攻撃に用いますが、ハリネズミは身を守るためにハリを防御に用います。
また、ヤマアラシのハリは敵に刺さると身体から抜けますが、ハリネズミのハリは刺さっても抜けません。
人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」では、登場人物たちの心境は相手を威嚇・攻撃するためのヤマアラシよりも、自身を防御するために針を用いるハリネズミが適切であるため「ハリネズミのジレンマ」とされたと言われています。
なお、英語ではヤマアラシがporcupine、ハリネズミがhedgehogです。
ちなみにヤマアラシはこちら。
まとめ
ジレンマとは「相反する二つの事に板ばさみになり、どちらとも決めかねてしまう状態」を言います。
人間にもハリネズミにもついでにヤマアラシにも「ほど良い距離感」があるんですね。
以上ハリネズミのジレンマ、もといヤマアラシのジレンマについてお話しました。