ハリネズミ飼いの皆様なら耳にしたことのある病気「ハリネズミふらつき症候群」。
発症しないことを願いますが、万が一発症した際の早期発見や対処法についてお話しします。
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この記事の目次
ハリネズミふらつき症候群はどんな病気(症状)なの?
ハリネズミふらつき症候群、別名WHS(Wobby Hedgehog Syndrome)とは神経の病気です。運動失調や麻痺によりふらついたり思ったように体が動かせなくなってしまいます。
主にうしろ足から発症し、前足や全身に広がっていく進行性の病で、症状が進むと体を引きずるようになり寝たきりになってしまいます。
食事が満足に食べられなかったり、排便が困難になることもあります。
多くの場合、症状があらわれてから18~24ヶ月以内に死亡すると言われています。
ハリネズミふらつき症候群と思われるハリネズミの動画をご覧ください。
何が原因で病気になるの?
ハリネズミふらつき症候群が発症する原因はよくわかっていません。
現時点では「遺伝的なもの」と推測され、兄弟や親にふらつき症候群を発症したハリネズミがいる場合は繁殖行為は避けるべきだと言われています。
治療によって治すことはできるの?
現在の医学ではハリネズミふらつき症候群を治療することはできません。
ただし症状の進行を遅らせたり緩和できる可能性はあります。
ハリネズミふらつき症候群の治療法
現在は支持療法*以外の治療法はありません。
*重篤な疾患や生命を脅かす疾患のある患者の生活の質を改善するために行われるケア。
また食事の栄養バランスにも気を付けましょう。
カルシウムやビタミンE、必須脂肪酸などを適量摂取することが病気の進行を遅らせることもあるようです。
動物病院などではビタミンB系のサプリメントが処方される場合もあります。
症状の進行度にあわせた治療・介護についてご紹介します。
うしろ足等を引きずるが移動ができる場合
自分で立って食事ができる場合は、食事がしやすいようにふちの低いお皿で給餌するようにします。またなるべく自分で歩行する手助けとなる「手すり」の役割として、体の幅に合わせて段ボールなどで道を作ることも重要です。
身体のバランスが取りづらく自分で立っていられない場合はタオルなどで支えを作って食事できるようにしてあげましょう。
以下の動画が参考になります。
麻痺が四肢に広がりばたばたと暴れるように動く場合
やわらかい寝床を作り常に衛生的な環境を心がけてください。ペットヒーターやクーラーを使用してより適正な温度を保ちましょう。
マッサージが症状の進行を遅らせる可能性もあります。
また、マッサージによって自力では困難になった排便を促進する効果もあります。
寝たきり状態の場合
更に症状が進行し、食事できない場合は「強制給餌」が必要です。ペースト状にしたエサや水をスポイトで直接口の中に入れて与えます。
ちょっと待って!それはWHSじゃないかも!
「ふらついているからWHSだ!」と早合点してはいけません。
ふらつきには以下の原因も考えられます。
- 低体温
- エネルギー不足(低血糖)
- 脳腫瘍
- 脊髄損傷 など
まずは動物病院で診察を受けることを強くおすすめします。
まとめ
ハリネズミふらつき症候群についてご理解いただけたでしょうか。
できれば耳にしたくない病名ですが、愛するハリネズミの為に備えあれば患いなしです。
万が一疑いがある場合は、冷静な判断で獣医さんなどに相談しながら世話をしてあげてくださいね。