ハリネズミ。文字通りハリが生えているネズミのような生き物ですが、実はネズミではありません。
僕も初めてこの事実を知った時は驚きました。
今回はハリネズミという生き物に生物学的な観点からお話ししたいと思います。
スポンサーリンク
生物学でのハリネズミの分類
生物学ではハリネズミは「ハリネズミ目(もく)」に分類されます。
かつては「食虫目(しょくちゅうもく)」に分類されていました。
日本で一般的にペットとして飼育されている「ヨツユビハリネズミ」は正確には「ハリネズミ目ハリネズミ科ハリネズミ亜科アフリカハリネズミ属のヨツユビハリネズミ」となります。
野生のハリネズミの生息地と種類
ハリネズミはヨーロッパ、ユーラシア大陸、アフリカに生息しており、日本には本来生息していません。*
(*このあと紹介するマンシュウハリネズミが静岡県・神奈川県で野生化し、繁殖してしまった例があります。)
ハリネズミは大きく5種類*に分けられます。
(*ハリネズミの種類については多数の分類方法があります。ここでは代表的な分類例をご紹介します。)
1.ハリネズミ目ハリネズミ科ハリネズミ亜科ハリネズミ属
2. 〃 アフリカハリネズミ属
3. 〃 オオミミハリネズミ属
4. 〃 Mesechinus属
5. 〃 インドハリネズミ属
更に以下のようにそれぞれが細分化され14種類に分けられています。
ハリネズミ属
・マンシュウハリネズミ
・ヒトイロハリネズミ
・ナミハリネズミ
アフリカハリネズミ属
・ヨツユビハリネズミ
・アルジェリアハリネズミ
・ケープハリネズミ
・ソマリアハリネズミ
オオミミハリネズミ属
・オオミミハリネズミ
・ハードウィケハリネズミ
Mesechinus属
・ダウリアハリネズミ
・モリハリネズミ
インドハリネズミ属
・エチオピアハリネズミ
・ブラントハリネズミ
・インドハリネズミ
ネズミじゃなくてモグラ?
一部で「ハリネズミはモグラの仲間だ」という説を見聞きしますが正確には違います。例として最も身近なネズミであるハムスターを見てみましょう。
ハムスターはネズミ目ネズミ上科キヌゲネズミ科キヌゲネズミ亜科です。
生物学的にもネズミとされています。
一方で問題となっているモグラこのようになっています。
トガリネズミ形目モグラ科…
ネズミともモグラともあります。
そしてハリネズミをおさらいしましょう。
ハリネズミ目ハリネズミ科ハリネズミ亜科…
とにかく「ハリネズミ」とあります。
モグラとの共通点はないように思えますが、実は生物学での歴史に深い関係があります。
この記事の最初にハリネズミはかつて「食虫目」に分類されていたと言いました。
実はモグラもかつては他ならぬ「食虫目」に分類されていたのです。
鼻の形やあまり目が良くないことなどから「ハリネズミはモグラの仲間」という説になったと推測されます。
ハリネズミはハリブタ?
「ハリブタ」という言葉はあまり耳にしませんが、ハリネズミの英名の由来をご存知でしょうか。Hedgehogは2種類の単語を組み合わせて作られた言葉です。
まずHedgeは生け垣です。
生垣とは植栽によって作られた垣根のことです。
そしてhogは豚(ブタ)です。
生垣の下に巣を作ったり歩き回っている豚に似た鼻をしている生き物を指した言葉がhedgehogという訳です。
しかし、そうなるとモグラ「豚のような鼻」という事になりますね。
余計にややこしくなってしまいそうなのでそれに関しては触れないことにしましょう。
動画でもチェック♪
まとめ
正確に言えば「ハリネズミはハリネズミ」です。
しかし、これまでの生物学の歴史からモグラに近い分類がされたり、豚のような鼻から名づけられたりといったことから、様々な呼び名や種類分けがされていると考えられます。
これには「ハリネズミという動物についての研究が不十分」といった理由もありますが、これに関しても別の機会にお話ししたいと思います。
スポンサーリンク