ハリネズミのハリはあらゆる原因で抜け落ちたり生え変わったりします。
病気または自然的に針が抜けるのか見分けるためには正しい知識が必要です。
今回はハリネズミの抜け毛ならぬ抜け針と対処についてお話しします。
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ハリネズミの針について
ハリネズミの背中には約5,000本の針があると言われています。
針は爪や被毛と同様ケラチンというたんぱく質から作られています。
針は長い場合約18ヶ月で抜けて生え変わると言われています。
また頭頂部の真ん中には針は生えておらず、真ん中分けをしているような生え方をしています。
病気による抜け針
ハリネズミはデリケートな動物です。
病気やストレスに対して何かしらのリアクションとして針が抜けることがあります。
代表的な原因を見てみましょう。
ストレス
騒音や匂いと言った環境の変化に敏感なハリネズミはストレスを受けやすい生き物です。ストレスを受け続けると「10円ハゲ」のように針が抜けてしまう場合があります。
ハリネズミが過ごしやすい環境を作ることを心がけましょう。
詳しくは⇒【飼育する前に】ハリネズミを飼うために必要な環境
アレルギー
ハリネズミは針葉樹にアレルギーがある*と言われています。*個体差があります。
アレルギー皮膚炎が原因で針が抜けてしまいます。
松や杉などの針葉樹の木くず(ウッドチップ)の床材(敷材)を使用している場合は広葉樹や草に変えるか、できれば紙製の床材(敷材)やペットシーツに変えましょう。
ペットシーツを使う際は中の綿を掘り出してしまうと綿が皮膚に付いて炎症を起こす場合があるので、養生テープなどでしっかりと固定して掘りにくいようにしましょう。
また杉の木の巣箱などでもアレルギー反応が出る場合があります。
ダニ症
ハリネズミがかかる代表的な病気としてヒゼンダニによるダニ症があります。すでにダニに寄生されているハリネズミから感染したり、床材やタオル、ペットショップなどで感染することもあります。
針の付け根の皮膚や目の周りにかさぶたのようなフケが発生したり、激しいかゆみや食欲低下などの症状がみられ、針が抜けている場合はダニ症の可能性があります。
自然治癒はしませんので早急に動物病院で診察・治療を受けましょう。
また、ダニ駆除薬を塗った後に薬の作用で針が抜ける場合があります。
皮膚の新陳代謝が活発な若いハリネズミは古い皮膚がはがれるときに針が抜けやすくなります。
元気があり健康である場合は様子を見てみましょう。
かぶれ(炎症)
ハリネズミの入浴時に石鹸やボディーソープなどを用いる場合、充分に洗い流されずに残った泡などから炎症を起こしてしまうことがあります。ハリネズミに石鹸などは必要ないのでお風呂に入れる時は水(お湯)で洗い流すだけにしましょう。
詳しくは⇒いい湯だな♪ハリネズミのグルーミング~お風呂編~
栄養不足
カルシウム(栄養)が足りない場合針が抜けやすくなることがあります。様々なハリネズミ専用フードが販売されていますが栄養価が低いものもあります。
ハリネズミに合ったフードを選択したり、カルシウムやタンパク質が多いコオロギやピンクマウスを補助食として与えるのも効果的です。
その他(部分脱毛)
巣箱をひっくり返したり回し車にぶつかったときに頭の針が抜ける*こともあります。*冒頭でお話ししましたが、ハリネズミの頭頂部は真ん中分けのようにもともと針が生えていない部分があります。
ストレスによる行動とも考えられますので環境を見直してみましょう。
また少し高いところから落ちたりした際にハゲができることもあるようです。
ちょっと待って!それは成長期の「クイリング」かも
はっきりとした事は分かっていませんが、ハリネズミの成長の過程として大量に針が抜けることがあります。
普段は1日に多くて10本程度の抜け方でも、突然40~50本抜けたりすることがあります。
これは「クイリング*(Quilling)」と言われており、赤ちゃんから大人になる時期に見られます。
*ハリネズミの生態でも詳しく解明されていないそうです。
およそ生後4ヶ月から6ヶ月頃に見られる場合が多いようです。
一か所だけが抜けるのではなく、全身からまんべんなく針が抜けている場合はこのクイリングの可能性があります。
自然に抜け針は収まりますので経過観察しましょう。
注意深く観察して異常や不安がある場合は動物病院で診てもらうようにしましょう。
また余談ですがクイリング後に生えてくる針の色が変わる場合もあります。
まとめ
ハリネズミは生態の研究が現在進行形で詳しく分かっていないことが多数あるそうです。
今回お話した以外の理由による抜け針があるかもしれませんが、代表的な例をお話ししましたので参考にしてハリネズミの健康に注意を払ってくださいね!